急な腹痛や、それに伴う下痢の症状で悩んだ経験をお持ちの方は多くいらっしゃるかと思います。下痢は大きくわけて下記の2種類があります。
- 急性下痢(冷えやウイルスが原因)
- 慢性下痢(腸の疾患が原因)
どちらの場合でも脱水症状を引き起こし、日常生活に影響を与えやすいです。
そこで、注目したい食品が「梅酢」です。同じ青梅を原料としている梅干しが健康によいと知っている人は多いですが、梅酢の健康効果をわかっている人は少ないです。
今回は下痢の症状と、梅酢が下痢状態の回復に効果的な理由を紹介します。
Contents
梅酢には完熟青梅の栄養が詰まっている
梅酢とは、青梅から梅干しをつくる際に出る「梅エキス」のことを言います。塩漬けにしたり、氷砂糖と酢で漬けたり、作り方は複数あります。似ているもので「梅シロップ」があります。製造方法が梅酢と似ているため、混同されやすいです。
両者の大きな違いは原料とする青梅の成熟状態です。
梅シロップは木になっている青梅をもいで使用するのに対して、梅酢は木から落ちた完熟状態の青梅を原料としています。一般的にスーパーマーケットで購入できる青梅はまだ熟れていないものが多いので、梅酢を自宅でつくったことがある人は少ないでしょう。
梅酢は腸内環境を整え下痢を止めてくれる
梅干しの製造量が多い和歌山県では、梅酢の健康効果に注目し研究が盛んに行われています。研究の結果、梅酢に含まれている「梅ポリフェノール」という成分が腸内環境を整える効果があるとわかりました。
<関連記事>梅酢で便秘解消|梅ポリフェノールで腸内環境を整えよう
簡単に梅ポリフェノールの効果効能を確認しておきましょう。
腸内には「善玉菌」と「悪玉菌」、「日和見菌」という3種類の細菌が生息しています。善玉菌とは「乳酸菌」や「納豆菌」など、腸の作用を活発にし体を健康的な状態にしてくれる細菌のことです。
梅ポリフェノールは善玉菌の栄養になることが確認されており、“整腸作用”があると期待されています。
梅ポリフェノールが乳酸菌の栄養となる
一般的に整腸作用があるとされる食品はヨーグルトでしょう。乳酸菌を腸に送り届けることで、腸内環境を良好に保つ役割があります。
ですが、腸内に生息している細菌の種類は人によってさまざま。また乳酸菌との“相性”もあります。乳製品が体調に合わず、ヨーグルトの食べ過ぎでおなかを壊してしまう経験をしたことがある人もいるはずです。
梅酢に含まれている梅ポリフェノールは乳酸菌の栄養となるため、無理にたくさんのヨーグルトを食べて細菌を増やす必要がなくなります。今いる細菌の動きを活発にしてくれるのが、梅酢の役割です。
下痢の2種類の症状
下痢に悩まされるパターンは大きく2つに別れます。ある日とつぜん引き起こされる下痢と、長い期間続く下痢です。それぞれの特徴を確認していきましょう。
ウイルスなどによる急性下痢
急性下痢は冷えたり、腸内に細菌が入ったりして引き起こされる下痢です。一般的に「食中毒」と呼ばれますが、原因は鶏卵のサルモネラ菌や毒キノコなどさまざま。
この場合、脱水症状になるリスクが高く、水分を積極的にとることが大切です。殺菌作用がある梅干しや梅酢で虫下しの効果を期待するのもよいでしょう。
ストレスなどによる慢性下痢
2週間より長い期間、下痢がつづく場合は慢性下痢の可能性があります。
慢性下痢は「過敏性腸症候群(IBS)」などが原因となっていることが多いです。過敏性腸症候群はストレスが原因で下痢や便秘を繰り返す症状で、腸が正常に動かないことが原因とされています。
過敏性腸症候群は心療内科や神経かなどのクリニックに通院して治療されることが多いですが、発症のキッカケは日常のわずかな変化であることが多いです。食べ過ぎや冷えなどで下痢になることが、原因とされています。
刺激が強いものを食べて下痢をすることは自然な現象ですが、それをつづけているうちに、慢性化する場合があるということです。そのため、日常的な腸のケアが慢性下痢の予防にもつながります。
腸内環境を整えてストレス社会に負けない腸に
乳酸菌の種類によってはストレスを緩和する働きがあることも確認されています。
カルピス社の調査によると「プレミアガセリ菌CP2305」という乳酸菌には、リラックス効果や安眠効果があると判明。
梅酢に含まれる梅ポリフェノールが人間の腸内で、どの乳酸菌の栄養になるかは研究途中ですが、梅酢と乳酸菌の摂取は精神状態にもプラスになることが期待できます。
梅酢と乳酸菌で腸の健康を手に入れよう
腸内環境を整えてくれると注目されている梅酢。梅干しを製造する際に抽出される梅酢には、梅ポリフェノールという善玉菌の栄養になる成分が含まれています。
腸を整えれば、下痢を抑えることができますが、下痢は「急性下痢」と「慢性下痢」の2種類に分類されます。前者は細菌などの毒素が原因で起こる下痢ですが、後者は腸内環境の不調をきっかけに発症する傾向があります。
そこで役立つのが、腸を整える乳酸菌とその栄養になる梅酢。腸を活発にする乳酸菌と、乳酸菌が活躍しやすい環境をつくってくれる梅ポリフェノールで腸内がキチンと整えられます。
梅酢を毎日、少しずつ飲むだけで手に入るのが腸の健康です。梅酢と乳酸菌でおなかの健康を取り戻し、下痢の悩みから解放されましょう。