梅酢でピロリ菌と戦う!クエン酸が持つ殺菌効果

胃がんの原因は99%が「ピロリ菌」と言われています。60歳以上の日本人の7割がピロリ菌に感染しているとされているほど、感染率が高く見逃すことができない細菌です。

近年ではピロリ菌を除去する薬が提供され始めており、投薬による細菌駆除が可能になりました。ですが、副作用が伴い、日常生活に支障をきたすこともあるので注意が必要です。

今回は、ピロリ菌の概要とピロリ菌駆除に注目されている食材について紹介します。

ピロリ菌は胃の中で暴れる細菌

胃の中でつくられる「胃液」は強い酸性のため、一般的な細菌は生息できず死んでしまいます。胃液には食べ物を消化する役割があるため、塩酸を含んでおりコレラ菌をはじめとするほとんどの細菌を死滅させるのです。

しかし、中には例外的な細菌がいて、胃の中でも生きることができます。それが、「ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)」です。

ピロリ菌が体に与える影響や除菌する方法について確認していきましょう。

感染経路はあまりわかっていない

ピロリ菌の感染率は全人口の50%と言われていますが、その感染ルートはあまりわかっていません。

上下水道の処理が発達していない国での感染率が高く、日本においてはまだ環境整備がされていない時代に育った世代、つまり60歳以上の人たちの感染率が高いことがわかっています。

大人になってから感染する可能性は低く、幼児のころに親から口移しで食事を与えられた際に感染するとされる説が有力です。幼児期の口移しはピロリ菌だけでなく、虫歯菌を感染させるリスクもあるため、近年の子育てでは避けられる傾向にあります。

口移しを避けるべきだという情報が多い一方で、口移しによってビタミン12の吸収や消化促進の効果があるという見解もあります。

<参照>What’s In a Kiss? More Than You Realize…/Mercola

感染を防ぐ工夫も大切ですが、ピロリ菌の感染経路には不明点も多いため、菌を減らす対策をした方がよいでしょう。

薬でピロリ菌を駆除できるが、副作用がある

ピロリ菌は薬を飲むことでほとんどの場合、駆除できます。

血液検査や胃カメラでピロリ菌の感染を確認でき、薬の処方もしてもらえます。1週間程度、薬を飲みつづける必要がありますが、完全に駆除できる確率は7割程度。

最初の1週間で除菌しきれなかった場合は薬の種類を変えて、服薬を続けなくてはいけません。ただし、薬の影響で腸内細菌のバランスが崩れ、おなかの調子が悪くなることもあるため、日常生活に支障をきたす場合もあるので要注意です。

薬の副作用が心配なら、食事でピロリ菌を減らす方法を取り入れるのもよいでしょう。

ピロリ菌を減らすとされる食材は複数ある

胃酸でも死滅しないピロリ菌ですが、食べ物によって数を減らすことができるとされています。代表的な食品を紹介します。

  • ブロッコリースプラウト
  • ココア
  • もずく
  • 梅肉エキス
  • マヌカハニー

ブロッコリースプラウトには「スルフォラファン」という物質が含まれており、ピロリ菌の活動を抑制する効果があると実験の結果わかっています。ココアやもずくにもピロリ菌の数が減少する効果が報告されているので、試しているのもよいでしょう。

ニュージーランドのマヌカという木から採取できる蜂蜜「マヌカハニー」ですが、強い殺菌効果があるとして高級食材を取り扱うお店で人気を獲得し始めています。しかし、ピロリ菌の除菌効果はまだ基礎研究段階にあり、あまりハッキリとした研究結果は発表されていません。

代表的な食品の中からとくに注目したいのが「梅肉エキス」です。梅肉エキスとは青梅を加工して煮詰めた食品ですが、クエン酸が多く含まれていることから、ピロリ菌が胃酸の中で生息できる原因となっている酵素(ウレアーゼ)の活動を抑制する効果があるとされています。

クエン酸が持つピロリ菌駆除効果

胃酸に負けないピロリ菌ですが、その原因は「ウレアーゼ」という酵素を生成しているからです。

ウレアーゼの役割を簡易に説明すると“胃酸を中和して、ピロリ菌が胃の中で生息できるようにしている”ということなので、ウレアーゼという酵素の活動を抑えればピロリ菌も死滅すると考えられます。

ウレアーゼ抑制効果があるとされる梅肉エキスですが、主成分は「クエン酸」とされており含有率は30%程度です。クエン酸に継いで多いリンゴ酸は10%程度。梅に含まれる有機酸が胃の中に生息する細菌を駆除してくれます。

ただし、クエン酸やリンゴ酸を含んでいる梅の加工食品は梅肉エキスだけではなく、「梅酢」にも多く有機酸が含まれています。近年の研究で梅酢が持つ健康効果に注目が集まっており、オーガニック梅酢のような厳選された材料で製造されている梅酢もあります。

副作用の心配なし!梅の力でピロリ菌と戦おう

ピロリ菌は胃がんなどの主な原因となっており、世界人口の5割が感染していると言われています。ですが、感染経路は明確にわかっておらず、感染している場合に除菌治療をしていくとよいです。

ピロリ菌の除菌は投薬治療によって可能ですが、体の中の細菌バランスが崩れ、おなかの調子が悪くなる副作用が出る場合もあります。

そこで、注目されている除菌方法が食事による対策です。いくつかの食材において、ピロリ菌の数が減少することがわかっており、ピロリ菌駆除の効能が確認されています。

中でも梅に含まれる有機酸には、ピロリ菌が胃の中で生息できる理由となっている酵素(ウレアーゼ)の活性を抑える効果があると発表されています。実験に使用された梅肉エキスが注目されがちですが、摂取の手軽さや、食材のこだわりを考慮すると梅酢から始めてみるのがオススメです。有機梅で製造されたオーガニック梅酢で、キリキリと悩まされない毎日を手に入れましょう。

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