「ゴホゴホと咳が止まらないから薬でも飲んでみようかな」
咳が止まらない期間が何週間も続くと、苦しさのあまり咳止め薬に手がのびがちです。しかし、咳は体調不良のシグナルです。喉から侵入したホコリなどの異物を外に出すための咳もあれば、肺や心臓の病気を知らせている場合もあります。無理やり咳を止めることで病気の知らせを無視してしまう可能性もあるので、安易に咳を止めることはよくありません。
今回は、辛い咳を和らげる方法として「梅酢」をご紹介します。
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咳の種類と原因を知って対策を考えよう
咳は専門的な用語で「咳嗽(がいそう)」という呼び方がされます。咳の勢いは強く、症状がひどくなると高齢者は肋骨を折ってしまうこともあるほどです。なぜ、咳はそれほど強い勢いがあるのでしょうか?咳の種類や仕組みについて理解していきましょう。
乾いた咳と湿った咳
咳には2つの種類があります。
- 湿性咳嗽:タンが混ざった咳
- 乾性咳嗽:タンがない咳
タンが混ざった咳呼吸器の炎症が原因となっている場合が多いので、医療機関で診察してもらうことが大切です。熱や血痰などの症状がある場合は肺炎や肺がんの可能性もあります。
乾いた咳は空咳(からせき)と呼ばれ、原因は風邪やインフルエンザの場合が多いとされています。体調が悪くないのに緊張などで出る心因性の咳もあり、咳が出たから病気だと言い切れないのが乾いた咳の特徴です。
湿性咳嗽、乾性咳嗽どちらの場合でも大きな病気の可能性もあるので、内科やアレルギー科で見てもらうことが大切です。
咳中枢が反応して異物を外へ出す
空気中には細胞やウイルス、ホコリなどの異物が漂っています。喉に異物が入ると、咳中枢という脳の一部に刺激が伝わり、咳という反応が起こります。咳を止める薬のなかには中枢神経に作用することで、咳が続かないようにするものもあります。
咳を止める薬をさらに細かく分けると「麻薬性鎮咳成分」と「非麻薬性鎮咳成分」というものがあります。市販の咳止めシロップでも麻薬性と非麻薬性どちらもあるのですが、摂取量はきちんと守りましょう。咳止め薬は中枢神経に作用するため、過剰に摂取すると薬物依存の症状になる場合があります。ドラッグストアで簡単に手に入る市販薬ですが、用量を守らずに飲むと取り返しのつかない場合があるので注意が必要です。
梅の力で安全に咳の症状を抑える
今となっては民間療法のようなものですが、古くから梅は咳止めや解熱剤として使用されてきました。
烏梅(うばい)という梅の実を真っ黒になるまでいぶしたものが薬とされていました。名前に烏(からす)の文字があるように、黒くなった梅の実です。烏梅の歴史は古く、1713年の百科事典『和漢三才図会』にも烏梅が薬として製造されていた記録が残っています。梅には殺菌作用があることから喉の調子が悪く、咳が続くときに服用されてきたのでしょう。
梅酢には元気になるクエン酸やリンゴ酸がたっぷり含まれている
咳がなかなか止まらないとき、体の免疫力が低下していることが考えられます。人は老化にあわせて免疫機能が低下していきます。特に50歳を過ぎた頃から免疫機能が低下する傾向は顕著です。免疫機能が低下すると、風邪やインフルエンザなど感染症にかかるリスクが高くなります。
近年、各種研究所が梅に含まれている成分の調査を熱心に行っており、ウイルスに抵抗する力が梅酢に秘められていることが判明しつつあります。
梅酢ポリフェノールでウイルスに抵抗する
梅の栄養が詰まった梅酢には「梅酢ポリフェノール」という特殊な成分が含まれています。和歌山大学食農研究所が行った実験で、梅酢ポリフェノールは抗インフルエンザ作用があるとわかりました。インフルエンザウイルスの増殖を抑え、感染症がなくなるとわかっています。
梅酢が原料なので人体にも安全です。この効果に注目した田辺市とJA紀州は抗インフルエンザ作用に関する特許をすでに取得しており、商品を製造するための臨床試験を行っているところです。
梅酢にはクエン酸も含まれている
免疫力を高める方法の1つにエネルギーの代謝をよくすることがあります。
私たちの生活はストレスや疲労の蓄積で、エネルギーの代謝が悪くなりがちです。人体のエネルギーの源になっている作用に「クエン酸サイクル」があります。クエン酸サイクルとはクエン酸をスタートとして、リンゴ酸など有機化合物を経由してエネルギーを製造する活動のことをいいます。つまり、クエン酸を多く含んだ梅酢を摂取することで、体内のクエン酸量が多くなり、エネルギーの活動が活発になることが期待できます。
咳が止まらない!免疫力低下には梅酢で対策しよう
咳が止まらない原因には病気などの深刻なものもありますが、免疫力が低下しているだけの場合もあります。咳を止めるための薬や漢方薬の種類はさまざまありますが、副作用を心配して、できるだけ自然食品で症状をよくしたい人も多いでしょう。
梅酢には梅酢ポリフェノールという独自の成分が含まれています。梅酢ポリフェノールには抗インフルエンザ作用が確認されており、感染症予防に役立ちます。また、梅酢にはクエン酸が豊富に含まれています。クエン酸というと黄色いレモンを連想しがちですが、レモンよりも梅酢の方がクエン酸含有量は高いとされています。エネルギーの源を作るクエン酸を摂取して、免疫力を上げることもできます。
1日ティースプーン3杯程度の梅酢を摂取するだけで、クエン酸をたっぷり摂取できます。体の不調が気になったら、毎日お水やお酒に混ぜて飲むだけの梅酢で、免疫力をアップする生活を始められます。咳に悩まされない免疫力を手に入れましょう。